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『空中庭園』★★★★1/2
『青い春』以来、連れの一番お気に入りの監督最新作。映像センス、脚色センス抜群の監督だ。どの作品も希望と絶望が背中合わせの現在社会に暮らす人々の生き様を絶妙の間で展開してゆく。危うげな人ばかりを描きながらも（監督自身の人生も危うげだけれど）人間に人生に肯定的な人だと感じる。この映画のテーマはさと子役の大楠道代の台詞「やりなおし、くりかえし」。どんな問題を含んだ家庭であろうと、人には帰る場所が必要なのだ。

小泉今日子と大楠道代は主演、助演女優賞に相応しい演技。女の怖さと図太さがひしひしと伝わってきた。私にとって『陽の当たる場所』、『エターナル・サンシャイン』に並ぶ今年のベスト５に入る素晴らしい作品であった。