midori-ramao2010-10-19

青春の思い出の名曲をたくさん作ってくれたデイビット・フォスターのコンサートに一人で行った。
有楽町駅に着いて、駅横の回転寿司に入ったら、客の八割が私のように女一人で来ていて驚いた。学生時代から女おひとり様をやってきたが、あの頃は色んな店に入ってもほとんどいなかった。生を飲みたかったがトイレが近くなるので我慢して青魚ばかりを四皿食べて国際フォーラムへ。予想通り客の年齢層は高い。
最初にデイビット・フォスターが世に送り出してきたたくさんのヒット曲のPVをまとめた映像が流れ、改めてすごい数と内容の濃さに驚いた。
そして主役のデイビット登場。まずは『セントエルモス・ファイヤー』のテーマをピアノで弾いてくれた。合間にMCをたくさん入れたが、ゆっくりと英語で話してくれたので、なんとか理解できた。あれだけの大人物なのに、偉ぶらずフランクで優しそうな人だった。
最初にナタリー・コールが出てきたが、昔に比べ声の延びや艶がなくなっていた。その後、男性コーラスグループやアメリカン・アイドルという番組で有名になった黒人の若者の歌手が出てきたが、さすがにデイビットがお気に入りだけあってしっかり歌って楽しませてくれた。
そして、ピーター・セテラ。何ヶ月か前にNHKの番組で歌っている映像を見た時、高音が出ていなかったが、今夜もやはり出なくて終始苦しそうに歌っていた。老いれば声が太く低くなるのは仕方のないことだが、我が青春の曲ベスト10に入る『素直になれなくて』を聞いていてこんなに(別の意味で)苦しくなるとは思わなかった。
飛び入りゲストにミーシャが出たりした後(翌日は松田聖子だったらしい)、最後はデイビットが今、一押ししているフィリピン人の歌姫シャリース・ペンペンコ。ブーツをはいてもかなりの小柄な子がまたものすごい驚異の声量でセリーヌ・ディオンのヒット曲を歌い圧巻。歌い終わった後は、しばらく拍手が鳴りやまなかった。素晴らしい歌手で過去にどんな名声を得ていたとしても、ライブは生ものだから、歌声に酔いしれさせてくれた若者にはかなわないのだ。しかしどうであれ、デイビットは出演者全員に温かく寄り添っている雰囲気をかもし出していた。デイビットに心の中でありがとうとお礼を言いつつ会場を後にした。