『ネバーランド』

連れが二年前のフジロックのビデオをDVDに焼き直していて、今、ビョークが歌ってるのを聞きながら日記を書いている。ビョークは超人だがジョニー・デップも超人だと思う。隣の館でやってた『オーシャンズ12』のジョージ・クルーニーブラッド・ピットとはすでに違うステージにいる俳優だ。この映画でもジェームス・バリという主人公というより、私たち観客をネバーランドという心の奥の領域へ連れてってくれる狂言回し―――そう、まるでジェームス・バリが作り出した妖精ピーター・パンのようだった。ラストシーンでは大切なものを失う哀しみを乗り越えようとする少年の気持ちとシンクロして泣いてしまった。ジョニー・デップに妖精の粉をかけられ、つかの間少女に戻った瞬間であった。