『世界でいちばん不運で幸せな私』〜DVD

トスカーナの休日』のついでに借りたが、こちらの方が当たり。幼い頃から相手の出した要求通り実行したらメリーゴーランド模様の缶を相手から取り戻せるというゲームを続けてきた男と女。親や教師、まわりの大人の逆鱗に触れようとゲームをやめない。そんな破天荒な生活を送ってきた二人はいつしか愛し合うようになっていた。大人になり取り巻く環境も変わってきた二人はゲームを続けるのかそれとも・・・・。
10代の私は「短くていいから刺激的で面白い人生を送りたい」と願っていた。誰しもがどこかで持っていただろうその思いを実行し続けた二人。刹那な喜びに幸せを見いだしてしまった二人の人生はまさしく世界でいちばん不運で幸せ。愛のあり方は十人十色だがこんな刺激的で自由な愛があってもいい。魅惑的なラブ・ストーリーだった。主演の二人も生き生きと演じはまっていた。
監督が幼年時代、青年時代、成年時代とタッチを変えていたのも良かった。確かに同じ景色、同じ色を見ても子供と大人の目には違う風に映っているんだろう。まれに大人になっても子供の目を持ち続けている人がいる。私は子供の視点を失いつつある。いやもう失ってしまったのか。できるなら取り戻したい。そんな気持ちにさせてくれた映画。