『ミリオンダラー・ベイビー』

これぞイーストウッド節。真骨頂。ヒラリー・スワンクモーガン・フリーマン、そしてイーストウッド、三人三様の静かな情熱が伝わってくる深い演技。ヒラリーはどんな役にもはまる女優ではなく、バックボーンは暗くても気丈に頑張ってるという設定だと誰より輝く。主人公の女ボクサーと同じ、貧乏でトレーラー暮らしだったという身の上が演技にさらに深みを加えたのではないか。
見終わった後もその翌日も心に余韻を残し続ける映画。イーストウッドほど『人間愛』をしみじみと感じさせてくれる監督はいない。