[遊] [食]ごはん日記

midori-ramao2007-11-05

松本三日目。バイキング形式の朝食は品揃えもなくなかなか。牛乳で割った美味しいカフェオレをゆっくりと飲めるだけで気分があがる。
駅前や中町通りでお土産を買った後、チェックアウトして松本城へ。未だかつて日本のお城に上って感動したことがない。寒々しいし暗いし。重い着物でこんな急な階段を上り下りしてたなんて同情する。まあ、日本の歴史に魅力感じないから世界史専攻したんだけどな。
淡々と城見物した後は、私にとっての今回のメインイベント『三城』へ。開店と同時に三城とだけ書かれた暖簾をくぐり中へ。余計な物は置かれてないすっきりとした店内。使いこまれたいい色合いが馴染んだテーブル。皮張りの椅子はちょうどいい高さで座り心地がいい。
藍色の着物姿の女主人が我々を迎えてくれた。「アルネの方?ここに来られる若い人はアルネ見てこられた方が多いの」と笑顔。
お通しにお酒もつくとのことだが、運転があるため我々はお茶をいただく。前菜のアミ茸のおろし和えをいただいた後は、女主人が打った蕎麦が出てきた。蕎麦のコシ、つゆの濃さ、風味も理想的だが、この時期ならではの新蕎麦の香りに感動した。蕎麦を味わった後も煮たばかりというお豆さんやお新香の盛り合わせ、花梨の蜂蜜漬けなど、滋味の溢れた手料理をいただいた。

松本から東京・麹町に店を移転し、宣伝しない知る人ぞ知る名店だった三城。「ここはいい所ですね」と伝えると、女主人は故郷に帰りたいという想いを押してくれたのが大橋歩さんだったと話してくれた。ふくふくとしながらも凛とした女主人の立ち振る舞いに惚れ惚れ。「無理して松本に来た甲斐があった」と思いながら美味しいそば湯を飲んだ。
松本を離れ、車で一時間ほどの元宿場町、奈良井宿に立ち寄った。想像した以上の長い通りに古い木造の建物が建ち並んでいて見応えがある。『囲炉裏に火が入りました』という紙の貼られた喫茶店に入り、カフェオレを飲んだ後、東京への帰路についた。


かさついた心に潤いが戻ったようないい旅だった。