ごはん日記

修学旅行で行ったことのある人が多い奈良。西日本に生れ育ちながら、京都は数えきれないほど行ったことがあるが、奈良には行ったことがなかった。奈良の歴史と緑に浸ってみようと旅立った。
新幹線で崎陽軒のしゅうまい弁当を食べ、京都で電車に乗り換え奈良に到着。生憎、曇と小雨の繰り返しのすっきりしない天候。猿沢池のほとりの旅館に荷物を預け、奈良公園へ。鹿たちとたわむれながら、東大寺へ。大仏さんは思っていたほど大きくなかった。閉館していた正倉院のまわりをぐるりと回り、二月堂のひなびた茶屋でお薄と甘酒でひと休み。春日神社で「カスガ！」とオードリーの春日のマネを連呼する修学旅行生に囲まれつつ、藤の花を見る。

お腹が空いたので街に降りるが、昼食には遅くしっかり食べると夕食が入らなくなるので、たこ焼き屋でしょうゆ味の小さなたこ焼きを数個ずつ摘む。さすが関西、粉ものは美味い。

雨にしっとり濡れた奈良町を散策し、町屋カフェに入ってお茶し、旅館へ。
料理屋の経営する旅館なので、夕食を楽しみにしていたが、いたって普通でガッカリ。〆の鰻重も、うちの近所の大衆鰻屋の方が断然美味しいし。

まあでも、部屋の窓から見える興福寺の五重の塔は眺めは素晴らしいからいいか。
メイク落としを忘れたのでコンビニに行ったら、九時にして閉店準備をしており、連れが買った細長いカップのアイスのために、プラスチックの細長いスプーンをもらおうとしたら店員が「木ぃじゃないと折れますよ」と木の長いスプーンをくれた。今日一日、柔らかくて人情深い印象を受ける奈良の人の関西弁に心温まる場面が幾度かあって、それだけで奈良のことが好きになった。