ごはん日記

今朝も晴れ。日中は晴れのち曇りで暗くなってから雨が降るパターンが続いている。最終日ぐらい雨なしで過ごしたいが・・・・。身支度をすましてテントを片付ける。今夜は湯沢のマンションに泊まる予定。カートに荷物を積んで坂道を降りながら「この坂をもう上らなくてもいいかと思うと嬉しい」と話す。しかし、予想外の展開がこの後待ち受けていた。Yちゃんが車を止めている駐車場「白樺」は苗場ゲートの前にあるのだが、長い坂道の上だった・・・。カートを引っ張り汗だくになりつつ必死で坂道をあがる。人生甘くない。
荷物やカートから解放され、会場に戻るも車にデジカメを置き忘れたことに気付くが、取りに戻る気力はもちろんない。グリーンから聞こえてくるアジカンを聴きながら、遅めの朝食＠苗場食堂。今日は最終日だからと豪勢にモチ豚串もつける。
お腹も満たされどこにシートをひこうか考えながらグリーンを歩いていたら、女の黄色い声が飛んでくる。M軍団だ。毎年参加していたM軍団が結婚したりで減少してゆきついにはその姿を見なくなっていたが、今年はトム・ヨークが出るからと最終日だけ参加しに来たらしい。M軍団に引き連れられ、ブリ夫の前の会社の後輩Hとその仲間がいるところにゆき、その隣にシートを引く。M軍団になぜか大人気のYちゃんはいろいろからかわれていたが、いつも若干嬉しそうにしているので、「ドMだなあ」と思いつつ眺める。
ホワイトに上がって、MATT＆KIM。若い二人が非常に楽しそうに演奏してて良かった。グリーンに戻って少しだけOCEAN　COLOUR　SCENEを聴いてから、またヘブンに上りOZOMATLI。ノリノリなおっさんたちにこっちもノリノリ。我々の前方に白人二人がいて、グラストで遭遇したフラミンゴ軍団の手をして、「皆もやってよ」みたいな目線を送ってくるので、３人でフラミンゴの手をして応える。イギリス人か？
その後はところ天国でやっとハイジカレーを食べる。野菜の甘みたっぷりのカレーをたべているうちに、大道芸が始まる。その後にグリーンでVAMPIRE　WEEKENDを見る予定だったが、大道芸人の話術に巻き込まれ見入る。

炎やコマを使った芸を見せながら、いじめられていた小学生時代の思い出や中学になってその反動でヤンキーになったことや、日高氏に呼ばれ公認でフジでパフォーマンスするようになった経緯を話す。途中、太った彼に向かって「チャーシュー」と叫ぶ輩がおり、そいつを睨みながら「そういうおまえもデブじゃん？」とすごんだあたりが元ヤンらしかった。大勢の観客の前で芸を終え、「今回は夜、雨が降って集客が悪くまだ赤字です。お願いします」とチップを訴えてきたので、皆が気前良くお金を出していた。我が家も500円を袋に入れた。

グリーンからの帰り道、立ち話をしている集団の中の一人の後ろ姿が目にとまり、顔を確認してみたら、ブリ夫の前の会社の先輩Yさんだった。フジロック参加者濃いキャラベストテンというのがあったら、確実に毎年トップ10に入るであろうYさん。ここしばらく姿を見かけてなかったので話題にしていたところだった。
我々がシートに戻って10分後、Yさんが隣のシートに帰ってきた。挨拶すると、相変わらずのオネエしゃべりで返してきて、ペットボトルに入っている日本酒を勧めてくれた。ブンブンサテライツが始まると、不思議ちゃん然としている女の子と一緒にふわふわ手をつないで踊りだし、その後、「アタシとこの子ぉ〜、前世で出会ってたと思うのよねぇ〜フフフフ〜」とわけわからんことを語りだしたりしていた。
トム・ヨークのバンドを見るYちゃんを残し、二人でホワイトに行き、LCD Soundsystem。グラストで見たブリ夫が絶賛していた通り、かっこいいステージだった。ジェイムスの飾り気がなく音にひたむきな姿勢が感じられ惚れる。LCD Soundsystemは活動停止すると公言しているので、日が沈んでゆくホワイトという素晴らしい環境でライブを楽しめてラッキーだった。
ホワイトの帰りにまたところ天国に立ち寄り名物ところてんをツマミに、私は生ギネスを、ブリ夫はYさんを真似てエコボトルに日本酒を入れてもらったのを飲む。そして、グリーンに戻ったら、ちょうどATOMS　FOR　PEACEのステージが終わったところ。少しがっかりしていると、異例のアンコールが始まり（最初から決まってたんだろうけど）、トムが１人で出てきて演奏しはじめた。それが予想外にとても良くて驚く。Yちゃんがトムを熱く語ってもあしらっていた自分を反省。
オアシスで興奮おさまらぬYちゃんやM軍団と合流し、しばし話した後、M軍団やHは、ベルセバを見にホワイトに旅立ってゆく。残された三人は今年のフジ最後のごはん＠オアシス。男二人は恒例のケバブサンドを食べ、私は苗場食堂の豚汁と焼きおにぎり。

シートを片づけにグリーンに行くと、また雨が降り始める。ゴアテックスを着てオアシスに戻り、苗場食堂で少しだけカジヒデキ。映画の挿入歌の「♪あまいあまいあまいあまーい」をやってくれた。半ズボンをはいていたかどうかは見えなかったが同い年のカジに心の中でエールを送りながら、ゲートを出た。
そして、クリスタル・パレスで再びOZOMATLIを見るが、室内にこもった湿気が眠気を誘い、椅子に座り寝ていたら、さすがのブリも疲れたらしく「帰ろう」と言ってきたので、駐車場に向かう。
三日ぶりのコンビニで色々買って湯沢のマンションへ。荷物を置いて温泉に入りにゆく。三日ぶりの風呂は最高に気持ちがいい。誰もいない深夜の浴場で、しばし真空状態になって湯にぷかぷか浮かぶ。風呂から上がった後は、一階の自販機で買ったキンキンに冷えたDRYで乾杯。運転のためにビールを我慢していたYちゃんがDRYのロング缶を美味しそうに一気に飲み干す。前夜祭入れて四日間を楽しく総括してから布団に入る。平らな場所に敷いた布団に寝るという当たり前のことがとても幸せに感じられた夜であった。