midori-ramao2006-04-28

マラケシュ → ワルザザード (モロッコ
5:00ホテル出発。連れの下痢もとりあえずおさまりひと安心。まだ薄暗いフナ広場でプチタクを拾いバスSTATIONへ。今日はバスでアトラス山脈越えをし、砂漠の街ワルザザードに入る予定だ。
スタンドバーで小さなバケットを食べ、カフェが開いたのでカプチーノを注文。モロッコの飲食店には必ずと言っていいほど一匹猫がおり人なつっこく食物をせがんでくる。日本から持ってきたつまみ鱈をあげると飛びついてペロリと平らげた。6:00チケットを買ったカウンターに行きバス会社の人に停車場へ連れていってもらう。バスに乗せる荷物料は1人10DHと高かった。「歩き方」に載っていた通り左側の席に着くと、バスは物凄いスピードを出して走りはじめた。山に近くになってくるにつれ景色は壮大になり遠方にアトラス山の最山峰も拝めるようになった。
途中、スタンドの集まる休憩所に停車。降りて休憩をとっていると、昨日フナ広場のカフェで見かけた日本人女性が声をかけてきた。Y子さんは私より2つ下の36才。最近までパリに仏人の夫と一緒に暮らしていて、現在は港区に住んでおり、パリのアパルトマンを貸す契約しにパリへ行った帰りにモロッコを一人旅しているという。そんな彼女がカサブランカで声をかけしばらく旅を一緒にすることになった仏人はシルバという26才のエンジニア。我々と同じく一週間弱でモロッコを移動するという。一方Y子さんは「歩き方」オススメ通りのルートで砂漠へ進んでいくつもりらしい。(後で知ったことだが、我々と話した後、休憩所で彼女はモロッコ人の男に「うちの屋上から景色が見渡せるよ」と声をかけられ、ついて行ったら後ろから抱きしめられるというセクハラを受けたそうだ。)
バス乗車中、面白かったのは、山間の学校にゆく子供を無料で乗せて学校前で降ろしていたこと。モロッコ人は子供、お金や食べ物をねだる貧しい人々に親切だ。それはモロッコ人だけではなくイスラム教徒すべてがそうなのか?
ワルザザードのBUS STOPに着き、Y子さん&シルバとホテル探しをしていたら一人の男性アリ(名前を忘れたので仮名)が声をかけてきた。タクシーの運転手でカスバ(城塞)までの往復タクシーを世話してくれると云う。ついでに格安ホテルも案内してくれた。ホテルにチェックイン後、我々4人はカスバに行く前にランチをしにいこうと歩いて20分の中心地へ。アリはホテルで待機。途中、シルバは現地人に声をかけられるたびに立ち止まり話をし始めるのでなかなか前に進めない。やっとこさスークの中の小さなレストランに入り、タジンとサラダを食べる。食事をしながら、我々のつたない英語でシルバと仏映画やアニメについて意見交換したりもした。Y子さんは日本の夫にメールを送るとサイバーカフェへ。シルバは中心街をうろうろするという。体調のすぐれない連れと私はホテルへ戻った。ホテルではアリが我々の帰りを今や遅しと待っていた。しばらくしてホテルに帰ってきた後の2人と共にタクシーに乗って近くのカスバ、そして世界遺産のカスバへ。
砂漠の道のカスバへ向かう途中、ところどころで子供が路肩に立ち、トカゲを逆さにして我々にアピールしてきた。ある少年2人のいる所で車を停めたら、少年達は黄色やオレンジの大きなトカゲを買ってくれと迫ってきた。彼らは磨耗し汚れた靴を履いていた。何かの時のためにと持ってきた電池が切れた時計を1人にあげると1人が「僕にも!」と訴えてくる。あげるものはもうないのでゴメンねと伝えると、代わりにY子さんが彼にボールペンをあげてくれた。

世界遺産のカスバは期待してたほど感動は無かった。小さな川を渡るのにY子さんはロバ(有料)に乗り、我々は飛び石を渡ろうとすると連れには女の子が私には男の子が手をとってきてサポートしてくれた。もちろん川を渡った後「5DHくれ!」とちゃっかり要求してくる。「世の中そんなに甘くないよ」と思いながら1DHずつ渡すと、不満そうに文句を言ってたが無視して先に進んだ。
カスバの中をアリが案内してくれたが仏語で話すのでサッパリ解らず。みかねてアリの説明をY子さんが訳してくれた。急な坂道を登り、頂上に到着したが風が強くて吹き飛ばされそうになった。アリが顔の濃い連れに向かって「君は日本人ってのは嘘でモロッコ人だろ。モハメッドという名前をつけてあげるから一緒にモスクに行ってお祈りしよう」とからかっていた。その後、実は彼は8年もお祈りをしていないと告白した。モロッコでもアリのような若者は増えてきてるんだろうな。

ホテルに戻るやいなやシルバは疲れたと一人部屋に帰っていった。アリが「ミントティーを御馳走しよう」と誘ってくれたが明日も早いので「食事をして寝る」と言うと、ホテルの下のレストランを紹介してくれた。客が1人も居ないので不味いんじゃないかと心配したがタジンもハリラも美味しかった。「歩き方」にも大きい街より地方の町の方のタジンが美味しい!と書いてあったのは本当だった。我々が食事をしているとアリとシャワーを浴びてきたY子さんが店内に入ってきてミントティーを飲みながら談笑し始めた。アリは他のモロッコ人と違って欧米的で紳士的で向上心もあるようだ。「来年までには日本語を覚えて案内したい」と言っていた。食事を終えY子さんとメルアドを交換し、アリに「AM4:00にタクシーを捕まえられるか?」と聞くと「友達の運転手を来させる。15DHでいいね。「歩き方」にも載ってる(相場)だろ?」と言われ承諾した。そして2人と握手して我々はホテルの部屋に戻り、すぐに夢の中へ。