midori-ramao2006-05-10

イスタンブール (トルコ)
我々はイスタンブールのフェリー乗り場のハレムでバスを降りる予定だった。しかしAM7時に到着した予定場所に海はない。「歩き方」をよくよく読んでみたら、ハレムの後に最終地のヨーロッパ側のオトガルに着くと書いてあり、疲れで爆睡していた我々は中心街を通り越して終点まで乗り過ごしたのだ。連れはハレムに到着した時、目覚めたらしく、「大きな港町だなぁ、たくさん人が降りていくなぁ」と思いまた寝たらしい。
さて中心地に戻ろうとするが・・・まずオトガルから出ているはずのメトロ(地下鉄)の入り口が見つからない。そこで「歩き方」の大まかなバス経路を頼りにバスに乗ってみる事にしたが、いつまでたっても名前を知ってる中心地には着かず、また中心地をすぎる危険性もあるんで途中で降りた。
歩いていると、タクスィム行きのバスが来たので乗った。8時過ぎの通勤ラッシュで満員の車内。大きなバックパックを持った我々が乗り込んできたので乗客のおばさんにすごく嫌そうな顔をされた。
タクスィムでバスを降り、近くにあったスミットチェーン店に入り、朝食。カプチーノを頼んだら「ミルクはどうする?」と店員に聞かれたが、砂糖入りミルクっぽく見えたので「NO SWEET」と答えると、苦いコーヒーが出てきた。トルコでフツーのカプチーノやカフェオレを飲むのはなかなか至難の業なのだ。
それから海側まで歩き、トラムに乗ってスルタンアフメット地区にある5月1日に泊ったホテルへ。「あれだけ念押ししたからまさか予約が入ってないとかないよなあ」と思っていたが、予約は入ってなかった(預けていた陶器類はちゃんと預かっててくれていた)。オーナー不在で、約束より高い値段を提示される。「オーナーが同じ値段で部屋を用意してくれるって言ったよ」と文句言ったら「オーケー」とディスカウントしてくれたが、部屋はツインではなくバスタブ付きWベッドだった。やっぱトルコ人っていい加減なんだよな。
荷物を置いてイスタンブール観光へ出かけた。まずはスィルケジ駅付近へ行き、デジカメのにメモリーカードを買う。割高かと恐れていたが案外日本より安くて連れは大喜びしていた。
アヤソフィア教会へ。キリスト、マリアのモザイク画にコーランの文字が組み合わさった館内は独特の雰囲気。教会を出た後再びスィルケジへ歩き、庶民的なロカンタへ。何皿も頼んだのに800円もしないのには感動。旅の終わりになってやっと連れの食欲も戻り「うまい、うまい」と食べていた。

食事の後はトプカプ宮殿へ・・・。門だと思った所から入り、人の歩く方へついて行くが、行っても行ってもトプカプの門には辿り着かず、どうやら宮殿の入り口と公園の入り口とを間違えたらしい。歩き疲れたので公園の端のボスポラス海峡の見渡せるcaféのテーブルに座りチャイを飲む。

今度こそ宮殿へ。各部屋をササッと流しながらみてまわった。途中の部屋でブースの中でずーっとコーランを読んでいた男性の様が面白かった。ハーレムでは30分毎に20人位ずつまとまってガイドと共に入ると決まっていて、ガイドのトルコ人の英語の説明を聞きながら各部屋を観る。青や銀のタイル模様が見事で美しい。
次はスルタンアフメット地区にある地下宮殿へ。ライトに照らされ暗闇の水上の上に古い建築物の浮かび上がる。神秘的で大変気に入った。ビデオカメラに撮っておきたかったが、昨日から機械の調子が悪く写すことができなかった。

トラムに乗って橋を渡り、世界一短い電車に乗って、イスタンブール一番賑やかでお洒落なイスティラーク通りにゆく。私はここで、トルコのお洒落なカジュアルブランドの店を見たかったのだが、入る店入る店、流行をそれなりに取り入れていても、センスというかデザインが今ふたつで物欲は萎えてしまった。
食欲が戻ってきた連れがトルコアイスを食べたいと言うので、一つ買ってみたら、なんと5YTL。ワンの五倍だ。人気観光地の物価は高いのだ。連れは軽いショックを受け「もうトルコアイスは食べない」といいつつ食べていた。私は念願のスタバをみつけて喜び勇んで入った。アイスラテを注文するとプラスチックコップに書く名前を聞かれ伝えたが、コップには「domok(ドモック?)」と書かれていた。ラテの味は日本とそんなに変わらず。値段も4YTLで日本とそう変わらない。チャイは10分の一ぐらいの値段だからトルコ人にとっては高い飲み物のはずだ。
タクスィムまで歩いてから折り返し、魚市場へ行く。トルコではなかなかめぐりあえなかったシーフード料理の食べれる店がたくさん並んでおり、観光客とリッチそうなトルコ人が(トルコでは一応禁断の)ビールを飲みながらシーフード料理を食べていた。地元の人がたくさんいる店を選んで、鯖に似た魚の酢漬け、アンチョビの酢漬け、イカフライなどを頼み、この旅行最後の夕食という事もありビールで乾杯。「あー美味しい。やっぱり魚が一番美味しいなあ」と、連れはこの旅で一番の食欲旺盛ぶりを見せていた。他にも煮込み系を頼みたかったが、普通のロカに比べて三、四倍の値段がするのでやめておいた。


仏蘭西小路へ。仏蘭西のカフェやバーっぽい店が所狭しと並んでいるお洒落な通りだ。そこでカプチーノとカフェラテを頼むが、15分以上待たされ、「カプチーノマシーンが壊れてしまって」と言われたのでカフェラテを注文しなおす。大きなソファーに座りラテをゆっくりと飲みながらトルコの日々を思い出したりした。
ホテルへの帰り道、世界一短い電車は終わってたので歩いて坂を下っているが、暗くなり人気もなくなってきた。ワンで会った男性がこの近くの路地でスリにあったと話していたのを思い出し、急に怖くなり急ぎ足になる。ガラタ塔に登ろうという連れの提案も却下し、腕を引っ張り坂を下りた。
カラキョイからトラムに乗らず歩くと大橋のたもとに、有名な鯖サンドを売る屋台や船が並んでいるのに気づく。鯖を焼く煙にそそられたが、残念ながら腹に入る余地は残っていなかった。橋の下にレストランが並んでいるに気づき、下に降りて店沿いを歩いた。橋の下から眺める水辺のイスタンブールの夜景は素晴らしかった。この旅最後の夜にふさわしい。
ホテルに帰り、風呂から出てきた連れが風呂桶の穴を足で押さえてると水が溜まって胸あたりまで浸かれるよ、と教えてくれたので、入り、モロッコで買った泥石鹸を少しだけとってビニールに入れそれを穴にふさぎ、風呂に入った。シャワーばかりだったので三週間ぶりの風呂だ。うれしさのあまり二時間ぐらい半身浴をした。風呂の窓からホテルの向かいにあるトルコ人家庭からの声が聞こえる。真夜中なのに年寄りも子供も起きて騒いでいた。ディレキんちもそうだったが、基本的なトルコ人は夜更かしなんだな。
 
風呂から出ると連れはぐっすり寝ていた。私は長風呂のせいか目が覚めてしまい、朝方まで眠れなかった。